菅内閣の「デジタル化」 区民への影響は… ㊥

本人跳び越え個人情報を民間活用

 2016年、今回のデジタル化法案に先行して、国の行政機関と独立行政法人の個人情報保護法制の改定が行われました。保有する個人情報を、特定の個人が識別できないように加工したうえで利活用する民間事業者を募集し、審査や契約などを経て情報を提供する「非識別加工情報」という手法が解禁されました。

西町公園内に建てられた、 永寿総合病院のワクチン接種会場

 防衛省が20年度、横田基地夜間(飛行)差止訴訟原告の個人情報ファイル15種類を、この制度の民間活用の提案募集の対象にしていたことが、共産党の追及で明らかになり、国民の思想信条監視と市民運動を委縮させる、と衝撃を与えました。
 国立大学法人が20年度、学生の授業料免除に関する情報を含む個人情報ファイルを民間利活用の募集対象にしていたことも明らかになりました。
 これらは提案にとどまり、実際には提供には至りませんでした。「非識別加工情報」が提供されたのは、現在までに、住宅金融支援機構が保有する約118万人分のデータが住信SBIネット銀行に提供された1件だけですが、当事者本人に通知されていません。
 今回の法改正では、「非識別加工情報」が「行政機関等匿名加工情報」という名称になり、民間部門の「匿名加工情報」と近い仕組みになり、自治体にも広げられ、義務付けられます。
 自治体には、介護や子育て支援など、住民サービスに直結する個人情報が集積しています。これを「匿名化」して使いたい事業者はたくさんいます。匿名加工された個人情報の復元は禁止されていますが、データ量が増えると、特定個人が識別できる可能性が高まります。
 菅内閣の「デジタル化」法は、国だけでなく自治体にも、保有する個人情報を匿名加工し、民間に向けて利活用することが義務付けられています。
 台東区は、WiFi設置場所や避難場所など36の区が保有するデータをオープンデータとして公開(写真)。民間の二次利用できる環境を広げています。区政の透明性や信頼性の向上や協働の推進には必要なことです。
 問題は、この流れの中で個人情報がしっかり保護されるかどうかです。

カクサン
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