20日、台東区教育委員会が開催され、40名近くの傍聴者が見守るなか2025~8年(令和7~10年)に使用される中学校教科書の採択が行われました。当日傍聴した「子どもと教科書台東ネット21」代表の高山礼光さんにお聞きしました。
岸田自公政権のもとで大幅に膨張する防衛費。現職自衛隊幹部の靖国神社での研修。現職防衛大臣による終戦記念日の靖国神社参拝。
これらは、日本を「戦争する国」に変える道を進むものであり、絶対に許せません。
その様なもとで、これからの社会を担っていく子ども達の教育が憲法9条をふまえた平和主義に基づくものになっているのかどうかに区民の関心が寄せられています。6月に行われた教科書展示会を見て区民から寄せられた意見は70人をこえました。
社会科歴史的分野では、戦前の国定教科書「国史」と見まがうばかりの令和書籍が今回の検定で合格、侵略戦争を肯定・美化する〝あぶない教科書〟として従来から指摘されている育鵬社や自由社などもあり、注目が集まりました。
今回もこれらの〝あぶない教科書〟は採択されず、現在使用されている東京書籍が採択されました。
公民的分野でも育鵬社や自由社ではなく現在使用されている東京書籍が採択されました。
昨年度から教科書発行者のアルファベット表記による採択審議は見直され、実名で堂々と審議されるようになり、傍聴者にとって審議内容が分かりやすいものとなりました。教科書ネット等の要請行動が奏功したと自負しています。
教科書は、本来それを使用する教員の意見を十分にくみとったうえで採択されるべきです。現在の採択のしくみでは、教員の意見は教科書調査研究員会の報告書に反映されています。
今回の審議の中で、3人の委員が「報告書を踏まえ」と言う趣旨の発言をしています。その姿勢は歓迎したいと思います。採択のしくみ(教科書採択要項)の改善を含め、よりいっそう教員や保護者・区民の声が尊重されるように取り組んでいきます。