スポーツ施設利用料 首長が決断すれば無料も可能

 台東区議会は、第3回定例会が終了したのを受け、各委員会での行政視察を行っています。区民文教委員会は、10月30日から11月1日まで、香川県丸亀市・岡山県岡山市・大阪府吹田市の3市を視察しました。日本共産党の鈴木のぼる区議に報告してもらいました。

香川県丸亀市

 丸亀市では10月30日、市営の3×3バスケットができるコートと、スケートボード練習ができるコート(写真)を視察。
 丸亀市は、総合運動公園をスポーツ拠点として、市民のライフスタイルの変化や価値観の多様化等において、時代に合った施設として発展するよう長期的視点に立った施設整備を進めていました。
 今までのスポーツの枠組みにとらわれず、遊びの要素を取り入れた「アーバンスポーツ(都市型スポーツ)」も推進しています。従来からの整備を求める声に加え、東京オリンピックを機にスケートボード熱が高まったことを背景に、「丸亀市総合運動公園施設スケートボードパーク等施設の整備に関する基本方針」を策定。
 体育館などが集中する運動公園の脇に、もとは貯水池だった場所を改修し、スケートボート練習場を作り、無料開放しています。この無料化については、受益者負担も議論されましたが、大人も子どもも使いやすいようにと市長が決断し、スケートボード場と3×3バスケ練習場は無料開放が決定した、との説明がありました。英断です。
 このスケートボード場には、企業名命名権もつけており、一社が年間550万円で命名権を持って看板表示もされていました。その収益はコートなどの維持管理や3×3のボールの購入などに使用しており、子ども達も貸ボールでバスケを楽しんでいました。

岡山県岡山市

 岡山県岡山市には10月31日、町内会の回覧板や掲示板をインターネットで見ることができる『電子掲示板』支援について視察しました。町内会ごとに町会役員から町民に発信することができる電子掲示板で町内会単位の運動会や廃品回収などの情報や、町会の魅力発信も行えるという情報支援の視察でした。
 実際の電子掲示板はhttps://townweb.e-okayamacity.jp/で見られます。

大阪府吹田市

 11月1日は吹田市で、「スクールロイヤー(学校対応弁護士)」について視察しました。
 スクールロイヤーとは、法律的に定まった定義はありません。子どもの最善の利益のために学校や教育委員会に対して法的側面を踏まえたアドバイスを行い、問題の未然防止・早期解決を図る手伝いをする弁護士です。
 今、学校では児童生徒のいじめの問題や保護者から学校などに対しての過度な要望、事故発生時の対応など、法に基づき対応しなければならないことが増えています。
 吹田市では、問題が発生した場合、校内で解決ができないことは教育委員会が法的な助言を求めたり、解決への道筋の助言を受けたりするために弁護士と契約しています。
 この弁護士は、学校や教育委員会の代弁者という立場ではなく、どうしたら問題解決にスムーズな対応ができるのか、場合によっては法的な解決はどのようにすべきなのかの助言をするのが役割だとの説明でした。
 スクールロイヤーは問題の前面に立つのではなく、バックアップとしての助言者になり、どうしたら子どもたちが最善の学校生活を送ることができるのかを考える必要があると、スクールロイヤーである弁護士さんからも話がありました。
 区議団としても議論すべき課題かと思います。

カクサン