第一生命が希望退職者を1000人募集、日産は9000人の人員削減を発表。この年末、物価高に加えて職の維持が困難になっている状況が見えてきました。リーマンショックを受けて大量の失業者が生まれ、「年越し派遣村」が運営された08年の年末が思い起こされます。
5月に区議会に報告された路上生活者の数は、今年1~2月の夜間の調査では23区で520人(内、台東区95人)でした。
23区内において路上生活を余儀なくされている人への支援は、就労による自立と社会生活への復帰を基本に、2000年度から都区共同で実施しています。
15年4月の生活困窮者自立支援法施行により、現在は同法の自立相談支援事業及び一時生活支援事業として位置づけられています。
これらの事業のうち特別区は、巡回相談・緊急一時保護・自立支援・地域生活継続支援・支援付地域生活移行を特別区人事・厚生事務組合(特人厚)が共同処理しています。
その事業の拠点が自立支援センターで、23区を5つのブロックに分け、各ブロック1ヵ所を5年ごとに持ち回りしています。台東区は第2ブロックに属し、15年から19年まで北上野に設置していました。
現在は荒川区に設置されています。
この緊急一時保護事業の利用者数は、ピークの08年で3053人だったのが、23年度には630人と8割減少しました。そのうち77%が自立支援事業に移行し、そのうち48%が就労自立を果たしています。事業は順調に実施されているようにみえますが、離職率の高さを指摘するマスコミ記事も目にします。
また、年代別に見ると課題が見えてきます。
緊急一時保護事業の利用者の割合と実数をみると、20歳代以下の若い人が08年には全体の4%(122人)だったのが、23年には19%(120人)となっています。他の年代が実数を大幅に減らしているもとで、若い人は実数が横ばいのためその割合は年々増加しているのです。
若い人が暮らしにくい社会になっていることを示しているのではないでしょうか。