メタンガスの検知をはじめ、多くの問題を抱えた大阪・関西万博が13日開幕しました。関西の学校が遠足などで万博に行くとの報道に接し、共産党・鈴木のぼる区議が台東区教育委員会に問い合わせたところ、現時点で中学校2校が修学旅行として企画しているとの回答がありました。これを受け、共産党区議団は18日、「子どもと引率する教職員の命と安全を最優先する観点から、修学旅行の万博見学は再検討を求めることを強く要望する」として、教育長宛に緊急要望書を提出しました。
大阪万博の夢洲(ゆめしま)会場では、先日も爆発の危険性があるメタンガス濃度が検出されました。子ども達が食事をする場所に日除け・雨除けがないことや、夢洲自体が大阪市のゴミ埋立地であり、台風や地震・津波災害に弱い場所で、避難経路の確保など不安があるとも指摘されてきました。しかも夢洲1区は、現役の処分場で1日2トン近くのメタンガスが発生し、爆発事故の可能性を排除できない立地です。
こうした中、保護者の要望を受け、船橋市立の中学校が修学旅行で万博を訪れる予定をユニバーサル・スタジオ・ジャパンに変更した、との報道もありました。
共産党区議団の申し入れは、メタンガス問題や避難経路の不安など安全対策が万全ではない夢洲が、修学旅行の場所としてふさわしいのか再考が必要ではないのか、というものです。
要望書を受けた仲田賢太郎学務課長から「昨年、国から万博に関する通知が来た。その通知を各学校に渡し学校側で検討し判断した内容である」、「(区教委として)万博に行きなさいという指示はしていない」、「修学旅行の安全については適切な情報収集・提供をしていく」、「全校が修学旅行にどこに行くかについては、5月初旬に企画書が出そろう。現在分かっているのは2校である」との説明がありました。
佐々木洋人教育委員会事務局次長は「申し入れについては、各校に伝える」とコメントしました。
鈴木区議は、「万博を夢洲で開催するのは、インフラを国費で賄い、その跡地利用でカジノを誘致するという維新の会の思惑が見え隠れしている。中学生が万博で未来技術を見ること自体は悪いことではありませんが、夢洲は安全を考えたときどうなのか」と話しています。
