台東区社会保障推進会議(社保協)が提出した「高額療養費の負担限度額引き上げの撤回を求める陳情」「消炎鎮痛剤やアレルギー薬などへの薬の追加負担を行わないことを求める陳情」が、第二回定例会で、自民、公明、維新・参政含む会派、都民ファースト・国民民主含む会派などにより不採択になりました。日本共産党、れいわ・立憲にじいろの会は採択を主張しました。
重い病気や大きなけが等での医療費自己負担を抑える高額療養費制度ですが、国は今年8月と来年8月の2段階で、上限負担額を引き上げます。昨年は、がん患者団体らの猛反対を受け断念。いったん衆院を通過した予算が修正を余儀なくされる、という史上初の事態になりました。
今回は、昨年12月の厚労・財務の大臣合意で、この時の改悪案に比べれば一定抑制したとはいえ、高額療養費受給者の8割が負担増になります。社保協の陳情は、区議会として、政府に対し負担上限額引き上げを撤回するよう意見書の提出を、と求めたものです。
陳情が審査された6月17日の保健福祉委員会。自民党・岡田勇一郎区議と公明党の中沢史夫区議は、陳情が引用しているがん患者団体の要望内容は古く、これに基づき意見書を上げることはできない、と不採択を主張しました。
参政党の吉岡誠司区議は、持続可能な医療制度を維持するため、都民ファーストの中村謙治郎区議は、患者団体との意見を一定踏まえたものとして不採択を主張しました。
日本共産党・伊藤のぶ子区議、れいわ立憲にじいろの会・ふうさわ純子区議は、強く採択を主張しました。
消炎鎮痛剤やアレルギー薬などOCT類似薬の一部保険外負担についての審査では、自民・公明・参政・都ファともに、「国会で決まったことだから」として不採択を主張。伊藤のぶ子、ふうさわ純子両区議は二人とも看護師時代に体験した、薬代の負担増で病状が悪化した患者の事例を挙げ、採択を求めました。
二つの陳情審査で浮き彫りになったのは、不採択を主張したほとんどの区議が「趣旨は理解できる」としながら「国で決まったことだから」不採択という姿勢だったことです。
「趣旨は理解」というのは物価高騰の中で医療費の負担が重くのしかかっている区民の実情を認識しているからではないでしょうか。地方自治体の議会は住民の声を反映することが使命のはずです。そして地方自治体の使命は住民福祉の向上です。
9日、あきま洋区議の一般質問に区は「地方自治体と国は対等な関係」と答弁しました。一方で区議会が、区民の健康と命に係わる切実な陳情を「気持ちはわかるが国が決めたことにはものが言えない」ということでいいのでしょうか。高市政権がすすめる戦争する国づくり、大軍拡路線のもと医療・社会保障の大幅削減が強行されています。台東区議会がどう区民をまもるのかが問われる定例会でした。