紙の健康保険証廃止は中止せよ

 デジタル省と厚労省が強行しようとしているマイナンバーカードと健康保険証の紐づけにより、現在の紙の保険証が12月1日をもって発行されなくなることで区民に大きな不安が広がっています。9月9日に開かれた第1回台東区国民健康保険運営協議会と30日の区議会保健福祉委員会において、共産党の伊藤のぶ子区議はこの問題をとりあげました。

広がらないマイナ保険証

 台東区の報告によれば、7月の時点で区民のマイナ保険証の取得率は44.54%、利用率は、4月現在、8.79%とのことでした。
 政府が必死にマイナ活用の声掛けを医療機関や薬局などに求め、補助金まで使って利用率を高めようとしているにも関わらず、全国的にも7月現在の利用率が11.13%にとどまっているのは、多くの国民の中に個人情報の漏洩等の不安があるからです。
 先月行われた自民党の総裁選挙において、当時の閣僚からさえも、「紙の保険証廃止時期の再検討」を目玉公約にした候補者が複数人出たことは、国民の不安の大きさを反映したものです。
 伊藤区議は、もともと任意であるマイナカード自体が広がらないため、保険証と一体化して事実上の義務化することが国の狙いだ、健康保険証を12月2日から発行しないのは強制であり問題であるとの立場を鮮明にして討論を行いました。

便利?現場の混乱も

 台東区内の医療現場の実態について、医師会・薬局の出席者等から次の様な意見が出されました

*マイナ保険証を進める立場だが、使っている人がほとんどいない、窓口でも進めているが事務の負担が多い、マイナ保険証の紐づけミスの報告があとを絶たない。
*マイナ保険証の読取り機器には補助金があったが、その他設備にも相当のお金がかかる、導入が本格的になったら閉じるしかないと言っている高齢の医師会員もいる。
*資格確認書を発行するなど役所も仕事が増えて大変だね、無理してやらなくても良いのに。
*決まったことなので丁寧な周知を。

 伊藤区議は、今からでも遅くないので、現場の声を区として取り上げ、都や国に伝えてほしい。医療にかかれない人がでてはならない、と話しています。

紙の保険証はどうなるの

 紙の保険証は、来年の9月30日まで使用できます。その後は、「資格確認書」が発行され、それにより受診は可能です。
 東京土建台東支部は、今議会に「当面の間、現行の健康保険証とマイナ保険証の両立を求めるよう国に要請して」とする陳情を提出しました。しかし、共産党が賛成、れいわ立憲にじいろの会が主旨採択を主張しましたがそれ以外の会派が反対し不採択となりました。
 引き続き「紙の保険証を残して」の声を大きく上げ、国民の声で廃止を撤回させましょう。

9月26日、入谷駅前で訴える鈴木のぼる区議。
カクサン