決算特別委員会 学校トイレに生理用品設置を 教育長「子どもの意見ふまえる」

 日本共産党の伊藤のぶ子・鈴木のぼる区議は20日、台東区議会決算特別委員会の総括質問に立ち、令和6年度決算をチェックし、高齢者の居場所や中小企業の人材確保などで具体策を提案しました。(鈴木区議の質疑は次号)

高齢者の居場所づくり

 伊藤区議は第一に、高齢者の居場所づくりをとりあげました。
 元気な高齢者もフレイルや認知症を抱えた高齢者も、住み続けられるまちづくりは区政の重要な課題です。伊藤区議は「そのためには高齢者が気軽にいつでも足が向く居心地よい場所が身近にあることが必要だ」と切り出しました。
 台東区はこの間、体操や脳トレ、趣味づくりの各種教室やサロンを提供する「かがやき長寿ひろば」事業を拡大。審議対象の決算年度は一ヶ所だった「ひろば」を今年度から三ヶ所に広げました。
 伊藤区議は、この事業が好評であることを評価したうえで「これと引き換えに老人福祉館の縮小廃止に向けた動きを強めている」と指摘。老人福祉館は予約なくふらっと立ち寄れる空間として、地域・高齢者のコミュニティー形成の大事な役割を果たしてきた、今後も提供すべきだ、と区長の見解を質しました。
 これに対し福祉部長は、老人福祉センターや老人福祉館、「かがやき長寿ひろば」はだれでも利用いただける共有スペースを提供している。今後も高齢者が快適に利用していただく環境づくりに取り組んでいく、と答弁。老人福祉館の存続について答えませんでした。
 伊藤区議は続いて、区有施設以外で地域に高齢者の居心地のいい場所をつくることを提案。毎日認知症の方がコーヒーを飲みに来る、歩行器使用の方が10時にモーニングを食べ午前中いっぱいいる2つの喫茶店を例に挙げました。「2人の店主はその人たちが来ないと、『体調を崩したのかな』と電話や訪問で安否を確認している。こういう場所に、介護予防・フレイル予防推進員を定期的に派遣すべきではないか」と質問しました。
 福祉部長は「今後、そのような場に対し、推進員を派遣し新たなニーズや課題を把握するとともに、高齢者の支援ニーズと地域資源のつなぎ役である『生活支援コーディネーター』との連携を図り、高齢者の居場所づくりを推進する」と前向きに答えました。

生理用品と性教育

 生理用品を学校や公共施設に無料設置を、と繰り返し求めてきた伊藤区議。今決算委員会では区立小中学校の女子トイレへの導入に絞り質問しました。区教委理事者は集中審議で「子どもたちにより良いやり方を考える」と答弁。従来の姿勢のままでした。
 伊藤区議は「より良いやり方というなら児童生徒に対し、生理用品に対する悩みなどについてアンケートを行うべきだ」と求めました。これに対し教育長は「児童生徒の意見もふまえ検討」と約束しました。
 「月経など生理についての正しい知識を身に着ける教育が大事だ。どのように教えているのか」との伊藤区議に対して教育長は、小学4年生体育科、中学1年保健体育科で学習している。指導は養護教諭と連携・協力して授業を行い、児童生徒が相談しやすい環境を整えていく、との答弁にとどまりました。
 中学の保健体育の教科書は生理周期を「およそ28日に1回」「成熟すれば安定」などと記述しています。しかし周期は正常でも25~38日の開きがあり、同じ人でも5~6日の変動があるため突然生理が来て驚くことは成人でもよくあります。正確な知識を得るには現在の教科書の記述は不十分す。学習指導要領の「はどめ規定」をなくし、学問として性教育が行われることが重要です。

カクサン