日本共産党・鈴木のぼる区議(写真)は20日の決算特別委員会で、区内中小企業の人材確保、木造密集地域の防災、学びの環境支援…の3つの角度で総括質問を行いました。

人材確保への支援を
鈴木区議は、区内中小企業の人手不足についての認識を質しました。
これに対し、理事者は「令和5年の区の調査では、能力・人数とも十分確保できていると回答した事業者が2割程度にとどまるなど、人材の確保は大変厳しい状況にある」と認識を示しました。
鈴木区議は続いて、区内従業員10人の会社の「なかなか新卒が来ない。ほかの区では奨学金返還補助をしている自治体があるので、そっちに流れてしまうのかな。事業継承は難しい」という声を紹介。「奨学金返還が始まる若者獲得のために中小企業を通じた返還支援を」と求めました。
これに対し理事者は、区産業振興事業団が今年度から採用活動経費の支援を開始した。奨学金返済による人材確保は東京都が実施しており導入は考えていない、と退けました。
複数の自治体が、中小企業従業員の奨学金負担の軽減をすすめています。中小零細企業の街・台東区は先頭に立つべきです。
併せて鈴木区議は、従業員の運転免許証等の資格取得支援も求めましたが、理事者は、日常生活を過ごす上で広く取得される資格なので支援はしない、と答えました。
鈴木区議は「学びたい若者が、家庭の都合などで専門校や大学などの高等教育を受けられないことがあってはならない。区独自の給付型奨学金を創設すべきだがどうか」と質問しました。
これに対し理事者は「大学生等に対する支援として、東京都の制度を活用し、ひとり親世帯の子どもに対する資金の無利子貸付を行っている。国が入学金や授業料の減免や給付型奨学金を充実しているので、現時点では考えていない」と退けました。
国の給付型奨学金は拡大どころか対象はわずかです。また、共産党区議団には、日本学生支援機構の奨学金は給付型について審査が厳しくなり借りられなくなった、などの相談が寄せられています。台東区には高校生対象に8万円上限の給付型奨学金があります。金額を増額し大学や専門学校にも拡充すべきです。
一人一台タブレット 教員の初期化作業軽減
最後に鈴木区議は、教員が卒業・入学など多忙な時期に小中学校での一人一台端末の初期化作業を行っている。ただでさえ忙しい教員の大きな負担になっている。業者に任せるなど負担軽減をすべきだと、教育長を質しました。
「学年が変わる忙しい時期に教員が行うのは非効率であり、本来業務から外れる。個人情報を理由に外部委託しない、というならクラウドを活用して小学校6年間中学校3年間継続的に使えるようにして、卒業の記念にデーターアカウントごとプレゼントしてあげてもいいではないか」と鈴木区議。
これに対し教育委員会事務局次長は、「負担は認識している。情報セキュリティなど様々な課題はあるが、外部委託も含め年度更新作業への対応を検討していく」と答弁しました。
端末の初期化作業から教員を解放する道が開けたと言えるでしょう。