区民が572人の賛同署名とともに提出した「台東区立小中学校の給食費の完全無償化を求めることについての請願」が14日、区議会区民文教委員会で審査され、自民・公明・つなぐプロジェクトの多数で不採択になりました。日本共産党の鈴木のぼる区議は採択を主張。台東フロンティアは分かれました。
台東区は物価高騰対策として、学校、幼稚園・保育園・認定こども園の給食食材費の補助を増やし、保護者負担を当面(予算対応は年度内)なくすことを提案しています。この日の審議は、学校給食費を制度として恒久的に無償にすることの是非が論点になりました。
各委員の主張は?
拝野健区議(自民)は、区外から区立学校に通う子どもには補助があるのに他地域の学校に通う区民の子どもにはない、というのは平等性が損なわれる。無償化を制度にするには年間5億円かかり予算を硬直化させる、という理由で不採択を主張しました。
小菅千保子区議(公明)は「学校給食法で食材費は保護者負担となっているので、区独自で無償化制度にするのは難しい」。青鹿公男区議(つなぐプロジェクト)は「法治国家である以上、現行法上グレーの制度を区が行うわけにはいかない」。河野純之佐区議(台東フロンティア)は「他区との不公平になる。台東区だけで行うべきではない」としてそれぞれ不採択を主張しました。
学校給食法違反という理由で不採択にした区議は、現在無償化に踏み出した256の自治体が違法行為を行っているとでもいうのでしょうか。
学校給食法が施行されたのは1949年、73年前です。この時文部事務次官は通達で、学校給食法での設置者と保護者の経費分担について、給食費の補助を禁止する意図はない、と明確にしています。当時、学校給食を円滑に普及するため設置者である自治体の財政負担を考慮したのです。
中嶋恵区議(台東フロンティア・立憲)は、暫定的であっても無償化を行った区を評価し、採択を主張しました。
鈴木のぼる区議は、子育て家庭の経済的困難、学校等の事務負担軽減、国の食材費補助の少なさについて明らかにし、学校給食法は保護者に食材費負担を義務付けたものではないことを、吉良よし子参議院議員への文科省答弁を引いて明らかにし、強く採択を求めました。
区教委はこの日、「当面実施するのはあくまで食材費の補助で、給食費補助ではない」と、制度的な無償化の考えはないことを強調しました。
いよいよ来年の区長・区議選で完全無償化が争点に浮上してきました。
日本共産党が区長に予算要望
日本共産党台東区議団は12日、服部征夫区長に対し、党地区委員会との連名で2023年度予算要望書を提出。懇談しました。(写真下。手前が服部区長、向かい側右から伊藤のぶ子・あきま洋・鈴木のぼる各区議。)
党の要望は、コロナ対策、福祉・健康、防災、経済・文化、子育て・教育、まちづくり、環境、区政運営の8分野、194項目にわたります。毎年行っていますが、前年要望したうち、公契約条例、子ども医療費無料拡大、特別支援学級整備などについては前進がありました。
今回は区議団への生活相談や現在行っている「区民アンケート」などに寄せられた切実な要望がさらに加わりました。
