台東区内でも新型コロナウイルス感染症が急速に広がっています。11日の区の発表では、3~9日の1週間の患者数は125人で、前週(7人)の18倍になりました。こどもクラブでのクラスターも発生。区内の医療機関や子どもの保護者に不安が広がっています。
11日の区の発表は、年末年始の休みの期間を含む週の前週(12月20~26日)と比較すると、発熱相談センターへの相談件数が46件から119件と2.6倍、区のPCR検査(契約医療機関も含む)による陽性件数は6件から76件と12.6倍、陽性率は1.3%から10.1%と10倍近くに跳ね上がっています。
東京都が実施しているPCR等検査無料化事業は、感染不安やワクチン接種が受けられない都民が、検査事業者でPCR検査や抗原検査を無料で受けられるというものです。しかし、大変な混雑が続き、供給されるキット量が少ないため、希望しても受けられない状態です。
区内唯一の検査事業者である薬局は「予約は受けていません。問い合わせ電話はたくさんくるのに、断ってばかりで大変。検査キットが来るのは不定期。来たとしても多くて30~40個。希望者多数で一時間でなくなってしまいます」と話します。
この薬局を訪れた、ワクチンが打てない子どもの保護者は「在庫があったようで一人検査していました。『在庫なし』の貼り紙を剥がすとドッと人が押し寄せてくるから、苦肉の策なのかもしれませんね。台東区には無料検査できるところが一ヶ所しかありません。全く足りないことを都も区も知ってほしい」と訴えます。
発熱外来を担うある診療所は「11日は10件を超える発熱問い合わせがあり、夜間外来まで対応した。保健所から依頼があった時は自分の診療所で陽性になった方の健康観察を行う。医師会や都との連携も行う」と話します。
同時に、「事務量が多い。陽性者の入力登録を行政の都合で3度も入力するのは大変。効率化してほしい。PCR、抗原検査とも保険点数が大幅に下げられた。感染防止策を安全に行おうとすると1人30分~1時間かかることを考えると値下げは困る」とも。
別の診療所は「発熱相談が年明け毎日数人ずつ増えている。今は対応できているが、原則入院方針が見直され自宅療養が当たり前のようになってしまうのは問題だと思う。保健所がパンクしたところを往診で対応しろと言われたらとてもやっていけなくなる」と不安を吐露します。
11日から3学期を迎えた子どもたちの保護者は…。
「あ~学校行っちゃった。行かせたのも、もしなにかあっても自己(家庭)責任。不安なら休めばよかっただけですよね、ってなるでしょうか」「高校の部活に参加した長男が、部活内でPCRに引っかかった生徒が出て練習中止って帰ってきた」「新学期、子どもを学校に行かせて大丈夫か悩み抜いた。感染不安な子もちょっとした風邪の子も、念のため休める環境を整えてほしい。分散登校、オンライン選択制や出席扱いを早く実施して」など切実な声が上がっています。
日本共産党台東地区委員会と区議団は13日、服部征夫台東区長に緊急要望を行いました。(詳細は次号で)