商店街こわす駐車場附置義務
台東区は速やかに対応を

 商店街アーケードと面して建った高層マンションの間から雨が吹き込んでくる。夜の灯りが遮断されてしまう…。商店街に面したマンション等の建築物は長い間、まちづくりの問題になってきました。法令で定められた駐車場附置義務も商店街寸断の背景にあります。

 東京都駐車場条例は対象規模(住宅2000㎡、事業所1500㎡以上)の建物に駐車場附置義務を課し、それが1階部分を占有することが、商店街の連続性を分断する要因になっています。台東区内でも中高層マンションが商店街の賑わいやコミュニティを断つケースが数多く出ており、台東区の速やかな対応が求められます。
 3月24日、西浅草の商店街に面した高層マンション建設説明会。事業主から1階部分6台の駐車場スペースの図面が示されました。参加した商店街の方は「浅草の一つの顔に当たる商店街の入口が駐車場では街づくりが壊される」「商店街の連続性をどう考えているのか」と、厳しい質問・意見が続出しました。
 区内各地で長年にわたりこんなやりとりが続いてきました。日本共産党区議団は商店街に面した建築物の1階は商店をつくり商店街を分断しない縛りをかけるべきだ、と求めてきました。
 台東区はこのほど、ようやく「台東区まちづくり誘導方針」を策定しました。土地利用誘導や市街地更新、既存施設や新たに整備される都市空間活用など、ハード・ソフト両面からまちづくりを誘導していこうというものです。
 その中で、都条例の附置義務駐車場の「地域ルール」の活用により、基準の緩和や隔地駐車場の導入など、区内駐車場の在り方を検討する、としています。今後の早急な具体化が待たれます。

マンション建築説明会で、商店街に面した1階に
6台の駐車場設置を示す建築主側
カクサン