北上野福祉施設 全体像あきらかに
区民の声でさらに素晴らしいものに

 松が谷福祉会館の移転と機能強化、妊産婦と子どもや若者支援を行う(仮称)北上野二丁目福祉施設の姿がようやく見えてきました。コンセプトは「だれもが つながり やすらぐ ぷらっとスクエア」。障害の有無にかかわらず、ライフステージに応じた切れ目のない支援と、区民だれもが気軽に立ち寄れ、やすらぐ拠点をめざします。区ホームページで計画案をご覧いただき、ぜひ声をお寄せください。

 新施設は、①障害者支援②児童発達支援③子育て支援④教育支援⑤若者支援の5つの機能と、それらをつなぐ「総合相談窓口」「交流の場」を備えます。
 障害者支援では、松が谷福祉会館の利用者が願っていた医療的ケアの充実と昼食・入浴の提供、サービス提供時間の延長、他の区内生活介護事業所を利用している方へのトワイライトサービスを行うほか、在宅障害者へ入浴サービスの提供を行います。
 また、中途障害者への機能回復訓練などの障害者社会参加援助や障害者自立支援センター、基幹相談センターを身体・知的と併せ精神障害も対象に拡充します。
 児童発達支援では、18歳までの心身の発達に心配のある子ども、障害児と保護者への支援を拡充します。
 未就学児の発達支援の定員を現在より増やします。重度心身障害児や医療的ケア児の授業終了後や学校休業日の訓練・支援、法定の放課後デイサービス利用になじまない学齢児への支援、保育所等訪問支援などの新規事業も行います。
 子育て支援では、児童福祉と母子保健の一体的支援の充実へ、改正児童福祉法等に基づく「こども家庭支援センター」の機能を整備し、いっとき保育のほか、子育て相談やあそびひろば、妊産婦・乳幼児の交流事業を実施します。
 教育支援では、現在生涯学習センターで実施している、いじめや不登校、発達などの教育・就学相談、「あしたば学級」や「ふれあいパートナー」派遣、教育支援館機能を移管します。また、スクールソーシャルワーカーを中学校区ごとに配置するなど充実させます。
 若者支援では、ひきこもり支援事業を充実。個別プラン作成や交流の場の活用で早期支援につなげます。
 福祉(二次)避難所機能、切れ目のない支援への情報連携などを重視してすすめる計画になっています。

改善と充実へ 共産党がチェック

 日本共産党区議団は、期待が大きいだけに、詰め込み過ぎてどこも中途半端にならないように、と指摘してきました。また、報告された委員会では以下の点をチェックしました。
〈団〉「重度障害者のデイサービスが3階になったことでの災害時避難を万全にすべきだがどうか」
〈区〉「3階居室階までスロープを設置。エレベータ停止時にも安全に避難できる経路を確保する」
〈団〉「松が谷福祉会館にない職員、ケア労働者等の休憩スペースを十分確保すべきだがどうか」
〈区〉「執務スペースを各階に配置し、その内に休息や食事のできるリフレッシュスペースを確保」
〈団〉「あしたば学級と若者交流スペースが同じフロアにあり、(不登校の要因になったような)会いたくない子ども同士が期せずしてぶつかってしまうことがないようにすべきだがどうか」
〈区〉「配慮が必要な利用者が遭遇しないよう、動線を区画。エリア割する」
 その他、駐車場・駐輪場の利用者最優先、二次避難所への避難計画の具体化などでも、区の姿勢を質しました。

北上野開設の前に食事、医ケアを

 松が谷福祉会館の拡充は計画が大幅に遅延し、障害者と保護者、関係者から「一日も早く」と強い声が寄せられていました。この施設がスタートする令和10年まで5年もあります。少なくとも、現在の松が谷福祉会館でやる気になれば先行してできる、重度障害者への医療的ケアの充実、食事の提供を5年後まで待たせるべきではありません。

カクサン