障害者相談事業にも消費税
福祉破壊税の本質あらわ

 障害者相談事業の委託料を自治体と事業者が消費税非課税として扱っていたことは誤り…昨年10月の国の通知に基づき区は、平成30年度から5年分の消費税2110万円(本税1894万円、延滞税等216万円)を事業者に支払います。
 消費税法上は、障害者相談支援事業について、社会福祉法に規定された社会福祉事業(障害福祉サービスを受けるための相談等)は非課税、それ以外は課税というのが規定です。それを区が「誤認」していた、というのが今回の事態です。
 台東区はじめ多くの自治体は、従来から社会福祉法で社会福祉事業に規定されている相談事業を委託で行ってきました。さらに障害者総合支援法の施行や、切実な障害者の声にこたえ多岐の相談事業がそれに加わりました。その多くは従来の委託事業者が担っています。
 区も事業者も、従来の「相談」と新たに加わった「相談」を消費税の角度で区別する意識にならなかったのではないでしょうか。
 消費税法では非課税の社会福祉事業を極めて限定しています。しかし今回区や事業者が課税された相談事業はすべて、障害者のくらしと健康を維持していくうえで必要かつ有用です。
 たとえば就労支援事業は、つばさ福祉会が、松が谷福祉会館で、区から委託され行っていますが、働きながら自立して地域で暮らし続けたい、という障害者を就労先とマッチングするための大切な「相談」事業です。
 ある22歳の知的障害の区民は「それまで何度も転職したが、区の就労相談で紹介された職場で長く働けている」と喜んでいます。社会福祉事業そのものです。
 今回の問題は、消費税が弱い者いじめの福祉破壊税であることを露わにしました。3月26日の区議会では党派を超え、この課税への疑問が表明されました。

カクサン