特養ホーム待機の高齢者 5割強が在宅生活

 日本共産党台東区議団では、「祭りの笛の音が聞こえるところに住み続けたい」「自分が住んでいた地域で安心して住み続けたい」という声を受け、特別養護老人ホームなどの高齢者施設の増設を求めてきました。その特養の入居状況がどうなっているのか、現状を調べてみました。

依然厳しい入所状況

 台東区内には9施設の特養があり、ベッド総数は673床になりました。
 下の表にあるように、入所待ちをしている高齢者の54%は、在宅の生活です。在宅介護従事者、ご家族の介護の大変さが想像されます。次に多いのが老人保健施設の20%、病院の17%となっています。この3ヶ所で9割を超えます。

<待機の場所別一覧表>
男性女性合計割合
在宅5513519054%
病院19405917%
老人保健施設30407020%
介護療養型0000%
有料老人ホーム713205%
グループホーム0662%
その他2792%
合計113241354100%

 特養の申し込みは、年3回の受付期間があり、現在は第2回申し込み期間です。6月までの申し込みで7月末には入所待ちの順位が決まります。
 入所したい施設選びは、本人やご家族の希望での申し込みを行うことも可能で、施設にベッドの空きが出れば入所の案内となります。
 令和6年3月末日現在、特養の申し込み延べ人数は358人(令和6年度申し込み分)です。
 令和5年11月~令和6年2月までに区内の特養に入所された方の人数は71名と公表されています。申し込みの約2割に相当します。区外にも協力施設がありますのでそれらの施設に入所された方もいらっしゃいます。
 この3年間をさかのぼり調査したところ、区の内外を問わず、入所希望者の2割から3割の方々しか特養に入所できていない厳しい入所状況が続いていることが分かりました。

一方、施設側の視点で見た場合

 施設側から入所案内の連絡をすると、「希望している施設ではないので、今は見合わせる」「もうすこし家族で介護を頑張ってみる」「今、介護が落ち着いているので、入所を見合わせる」「医療が必要になり、特養の入所は難しい」などの理由で待機者から入所を断られる場合もあると聞きます。
 区内の特養で介護福祉士として働いていた経験をもつ日本共産党の鈴木のぼる区議は、このことについて次のようにコメントしています。
 介護の問題では、介護費用の家計負担など課題はたくさんありますが、在宅介護で無理することなく、施設も利用してもらいたい。特養に入所しても、外出や外泊は親族や知人の付き添いがあれば、原則自由に出かけることもできます。施設入所させることは後ろめたいことではなく、その方が安心して介護を受け、住み続けられるように支援していくのが施設の役割でもあります。区内に誰もが安心して利用できる施設づくりに取り組みます。

カクサン