台東区は、今年度策定する次期「次世代育成支援基本計画」のための基礎調査として、昨年11~12月に子育て世帯や子ども、若者を対象に「ニーズ調査」を実施しました。5年前の前回調査より、子どもの「生きづらさ」が拡大しています。
▼「将来の夢はありますか?」との小学生への質問。「ある」との回答は前回77.1%が71.4%に減り、「ない」が21.7から26.6%に増えています。理由で「夢がかなうのが難しいと思うから」との回答が、前回13.5から今回20.0%と大幅に増えました。
▼「今後、進学・就職に対してどうお考えですか?」との問いに対する中学生の回答。「とても楽しみ」「なんとなく楽しみ」が55.9%から50.6%に減り、「なんとなく不安」「とても不安」が31.9%から36.0%に増えています。4割近くの子どもが不安を感じているのは衝撃です。
▼「結婚についてどう考えていますか?」との質問では、中学生、高校生とも消極的な傾向が強まりました。
▼「してみたい」「どちらかといえばしたい」が、中学生で56.9%から53.0%、高校生で60.1%から53.7%に減り、「どちらかというとしたくない」「したくない」が中学生で7.5%から11.4%へ、高校生で5.7%から10.4%へ増えました。
▼「子どもを育てたいですか?」との質問に対し、高校生は「育てたい」との回答が前回の61.2%から51.6%に激減。「全く思わない」との強い否定が4.2%から8.5%へと倍増しました。「東京都の合計特殊出生率が1を切った」という背景が裏付けられているのではないでしょうか。
今回のニーズ調査に表れた子どもたちの意識には、彼らにとって生きづらい日本社会の現状が反映しているのではないでしょうか。結婚したくてもその選択ができなかったり、子どもを産みたいのにその自由がなかったり、という状況をつくった政治の責任は重大です。
台東区はこの調査をもとに、次期(第三期)次世代育成支援計画を策定していきます。第一回定例会の一般質問で、日本共産党のあきま洋区議は、子ども・若者の生きづらさを取り除く視点で次期次世代育成支援計画を策定すべき、と主張。理事者もニーズ調査を踏まえて施策を検討する、と答えました。期待したいと思います。