台東区議会にも(上) 外国人を排除する潮流
重い社保負担の要因隠す「国保滞納」論

 くらしの苦しさや生きにくさの要因を外国人の存在に向ける潮流が頭をもたげています。その根拠は事実に基づかぬものが大半であり、侵略戦争を美化する歴史修正主義にもつながっています。軽視できません。台東区議会でも、国民健康保険、生活保護、教育などの分野で排外主義的な議員の質問が続いています。二回に分けて報告します。

 台東区の外国人の国民健康保険料滞納状況はどうか、と本年第一回定例会の予算委員会で取り上げた自民党・松村智成区議。理事者が、外国人が世帯主の世帯の滞納率は日本人世帯よりやや高いが、滞納額全体に占める割合は同程度、と答弁すると、松村区議は「台東区の職員が頑張っているからだ。他区は外国人の滞納が多い」「国保は日本人と外国人は別個のものにすべきだ」と発言しました。
 日本維新の会・木村佐知子区議も6月の第二回定例会一般質問で、外国人の国保料滞納問題をとりあげ「保険制度へのただ乗りを許さない観点から」「滞納実態の調査を行うべきだ」と質問しました。これに対し理事者は、国が外国人の保険料納入状況を把握するシステム改修を行う方向にあり、動向を注視する、と答弁しました。
 木村区議の質問は「在留資格の属性により滞納率が異なる可能性がある」としていますが、「国民の社会保険料負担の増大が国民の手取りに与える負のインパクトをいま一度強調させていただく」と前置きした上での質問は、外国人の保険料滞納が社会保険料負担を重くしている原因だ、との印象を植え付けるものだと言わざるを得ません。
 厚労省のデータでは、国民健康保険加入者のうち外国人は4%ですが、医療費全体に占める外国人への給付は1.39%となっています。松村・木村両区議は高すぎる国保料への不満を外国人の保険料滞納に向け、分断をあおり問題の本質をずらす主張です。
 国民健康保険料の高騰は、地域医療計画による医療費削減をすすめるため、運営の都道府県化による一般財源投入打ち切り、高額所得者への保険料優遇などが原因です。
 少子高齢化がすすむ日本では20~30代の若い外国人労働者が、社会保険制度の支え手になっています。厚労省が将来の年金水準を予測するために行っている「財政検証」では、外国人の入国超が多いほど将来現役世代が受け取る年金が増える一方、流入が少ない場合は減ることを試算しています。
 日本社会をともに支えるパートナーとして、多様性を大切にし外国人と共生していくことこそ希望ある道です。

カクサン