伝法院通り・商栄会の立退き訴訟和解 浅草に分断を持ち込んだ台東区 不法占拠ではないこと明らかに

 台東区が浅草・伝法院通り商栄会(写真上)の32店舗に対し立ち退きを請求していた訴訟で、昨年12月24日、和解が成立しました。本年7月末日までに商店側は連帯して建物を収去し800万円を支払う、という内容です。19日に審議した区議会で、日本共産党・あきま洋区議は、訴訟により「不法占拠」との「汚名」を着せられた商店主の声を紹介。半世紀にわたる歴史的な浅草のまちづくりに分断を持ち込んだ台東区のやり方を厳しく批判しました。

 伝法院通り商栄会は1977年、当時の内山栄一区長の了承を得て区道上に店舗を建て、露店的な店が並ぶ風情のある通りとして営業してきました。
 区は内山区長が逝去した2014年、商店が道路を不法に占用していると初めて指摘。その後「説明会や個別面談をすすめた」としていますが、商店会は膝をつき合わせた話し合いではなく「立退きありきの問答無用の通告だった」と話しています。話し合いを求め1万人を超す区議会陳情など声をあげましたが、区は22年訴訟に踏み切りました。
 訴訟提起の賛否を審議した2021年11月25日の企画総務委員会で、あきま区議は、まちづくりに関わる問題で区が区民等と訴訟という手段で「解決」するのは将来に禍根を残す可能性があるとして反対。本会議の採決でも反対は日本共産党だけでした。
 あきま区議は12月19日の企画総務委員会で、訴訟がメディアに取り上げられ、「不法占拠」との言説が広がり、「何人もの観光客から『法律違反している店』と指をさされた」「ここで商いさせてもらっている感謝から町会やPTAでがんばってきたのに『不法占拠』と言われるとつらい」「一番古い商店主が今春亡くなる前に『俺は被告人で死ぬのか。悔しい』と話した」…など、商店が肩身の狭い思いをしてきた実態を告発しました。
 さらに、訴訟で区の主張である「不法占用」は認められたのか、と追及。総務課長は「判決ではなく和解勧告なので」と答えました。不法占用という判断はなかったということになります。
 区側が和解協議の中で求めた「占用料相当額」は商店1店舗当たり1500万円、32店舗で4億8千万円ですが、和解額は800万円、請求の1.6%です。不法占拠に根拠がないことの反証ではないでしょうか。
 あきま区議は「内山区長から始まった今回の問題を、区長が結末をつけるのだから一言ないのですか」と、服部区長に発言を求めました。しかし区長は口をつぐみ、代わりに総務部長が「長い時間をかけ、弁護士や裁判所も交えて、この和解に至った。区、商栄会双方にとって喜ばしいと考えている」と発言しました。しかし商店側に深い傷を残しました。
 区による今回の訴訟は、浅草のまちづくりに分断を持ち込みました。今後、同じような問題がおきた時に、区が区民等と誠実な向かい合い方をせず、訴訟を乱発するようなことのないよう苦い教訓にすべきです。

カクサン