こどもの権利に関する条例 第三者救済機関設置は4区

台東区も実効ある条例づくりを

 台東区は2026年度末までに(仮称)こどもの権利条例を制定する方針です。2022年にこども基本法ができ、こども家庭庁が設置され、基礎的自治体での条例制定が続いています。このほど23区の状況を調査しました。

 子どもの権利に関する条例または基本方針を制定・策定しているのは23区中13区です。目黒区と豊島区以外は基本法施行前後からで、現在準備しているのが台東区を含め3区、残り7区は予定していない、という結果でした。
 条例に「国連子どもの権利条約」を盛り込んでいるのは11区、子どもの苦情申し立てを定めているのは8区、行政内部ではない第三者機関で苦情を処理しているのは4区(目黒・杉並・中野・世田谷)しかありませんでした。
 自殺やいじめ・不登校の増加、生活満足度の低下など、日本の子どもの精神的幸福度は、ユニセフの調査でOECD38か国中下から2番目です。
 台東区の次世代育成支援行動計画策定のための基本調査でも、「将来の夢がない」という小学生が増え、「夢がかなうのが難しいから」との理由が大幅に増加しています。中学生では進学や就職への期待が減り、不安が増えています。
 区は条例の内容について「子どもを権利の主体として尊重し、最善の利益を図る理念を明確にし、意見表明権や権利擁護等の多岐にわたる施策の基本的視点を一元的に規定する」としています。この理念は評価できます。ただ、重要なのは実効性です。
 子どもを権利の主体として尊重するというのであれば、苦情申し立ての権利と行政から独立した第三者救済機関の設置を条例で定めるべきです。
 目黒区は条例で子どもの権利擁護委員を設置。要綱で「子どもの権利擁護専門相談事業」を規定しています。
 同事業は、子どもからの直接の相談、区民または関係機関からの通報受け付けと対応、権利侵害を受けている子どもについて申し立てを受け付け事実確認や関係者間の調整、意見の表明または改善のための調整等を行っています。
 2024年度に子ども相談室「めぐろ・はあと・ねっと」に寄せられた電話相談は182件で子どもからは13件(7%)うち7件が「いじめ」が主訴でした。大人からの相談は161件(88%)でやはり「いじめ」が83件と半分を占めています。他機関につなげた相談は72件、子どもの権利擁護委員との面談実施は13件、苦情申し立て受理2件、調査・調整2件となっています。

カクサン