服部征夫台東区長が支部長を務める自由民主党東京都台東区第3支部が、区長選前の令和4年11月、区の公共事業を受注している企業からの寄付(写真)を受けていたことがわかりました。公正な区政運営を阻害する可能性をはらむ重大な問題です。
株式会社リクチ漏水調査は学校等の水道使用量管理業務を区から委託されている企業で、令和2年度108万円、3年度165万円、4年度140万円、5年度154万円、区の仕事を受注しています。同社は令和4年11月15日、自民党台東区第3支部に10万円寄付しています。
令和4年は区長選挙の前の年で、前年・前々年にはなかった同支部への「法人・その他の団体」からの寄付が184万円にはね上がりました。
廃棄物処理業者の藤ビルメンテナンス株式会社は10月28日、20万円を寄付しています。同社は区公共事業を受注していませんが、ごみ処理は区行政と密接に関係しており、事業系ごみ処理業者として区のホームページで紹介されています。
5万円以下の寄付は収支報告書への記載が義務付けられていませんので、残る154万円の法人等からの寄付に、区と取引のある業者が存在しているかどうかはわかりません。
同支部は服部区長が支部長で、区長の政治活動を支えている政党支部です。区公共事業受注企業からの寄付は、区長と企業との癒着というそしりを免れず、公正な区政運営を曇らせます。
公職選挙法は、公共事業を請け負っている事業者が選挙に関して寄付することを禁止しています。政治資金規正法は、国や自治体等から補助金、負担金、利子補給金、その他の給付金を受けている企業からの寄付を禁じています。
昨年9月、自民党の萩生田政務調査会長、高市経済安全保障担当大臣、小渕選対局長(すべて当時)らは、自ら支部長を務める自民党支部が公共事業受注業者から寄付を受けていたことがわかり、「誤解を招く恐れがある」として返金しました。
服部区長は、公共事業の直接契約者である首長です。そのことを自覚し、自らの支部への寄付について、区公共事業受注企業はもちろん、賄賂性の濃い企業献金そのものを一切やめるべきです。