日本共産党あきま洋区議は15日、台東区議会第一回定例会の一般質問に立ち、服部区長への公共事業受注企業からの寄付についての問題をただしました。区長は「法に抵触しない」と、あらためる姿勢を示しませんでした。
あきま区議は、区長が支部長の自民党支部が区長選直前の一昨年11月、区の公共事業を請け負っている企業から寄付を受けていたが、受け取るべきではない。法律に違反していないから問題ないと考えているのか、と質問。
これに対し区長は「政治資金規正法は政治活動の公明と公正を確保する趣旨から、その授受について制限を設けるなど規制措置が講じられており、(この寄付は)法に抵触するものでなく、今後も法の趣旨に沿って適切に処理していく」と答弁しました。
あきま区議は再質問に立ち、「自民党の裏金問題を見れば、政治資金規正法は規制どころか抜け穴だらけだと国民だれもが思っている」と区長を批判。
さらに、「公職選挙法は公共事業受注企業からの選挙に関する寄付を、政治資金規正法は国や自治体から補助金、負担金等を受けている企業の献金を禁止している(上の囲み参照)。二つを合わせて考えれば、形式的に合法でも限りなく問題だ。それでも変えないのか」と強くただしました。
区長は「先ほど答弁した通り、法の趣旨に沿って適切に処理していく」と同じことを繰り返し、正す姿勢はまったく見られませんでした。
区長が「法に抵触しない」とした根拠は、政治資金規正法は政党支部への企業献金を認めていることです。しかしこれは「政治改革」により政党交付金(助成金)が導入された際、本来廃止にするはずだった企業・団体献金存続の「抜け穴」として残されたからです。その後、パーティー券と二本柱で利権政治の温床になってきました。
公共事業受注企業から自民党支部への献金は、法律というより道義的理由からたびたび問題になってきました。最近では昨年9月、萩生田政調会長、高市経済安保担当大臣、小渕選対局長ら自民党幹部は、国の公共事業を請け負う企業からの自ら支部長への支部への献金が発覚し、「誤解を招く恐れがある」として返金しました。
区長が言う「法の趣旨」が、公正な政治のための政治資金を実現する目的にあると自ら認識するなら、利害関係にある企業からの寄付はあり得ないことです。区長の政治資金について今後も厳しくチェックしていく必要があります。
公共事業受注企業からの寄付は問題だらけ
★国又は地方公共団体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者の寄付禁止。(公職選挙法第199条第1項)
★国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金等を受けた法人は交付決定から1年を経過する日まで政治活動に関する寄付をしてはならない。(政治資金規正法第22条の3)